What kind of dog is Afghan hound?
(アフガンハウンドってどんな犬種?)

ここでは、アフガンハウンドを初めて迎えられる方に、またアフガンハウンドについて興味がある方に、
アフガンハウンドとはどんな犬種か、性格や飼育するときの環境・食事・運動・お手入れの仕方など
当犬舎での飼育経験も含めてお話させていただきたいと思います。

「アフガンハウンドの性格」嘘?本当?

一般的にアフガンハウンドの性格は、
「独立心が強く自己判断で行動する能力のある犬種である。」そして「プライドが高くマイペースで人に媚びず超然としていますが、神経は非常に繊細である。子供などに対しては柔軟に対応することができますが、どちらかというと見守るタイプで一緒に遊んだりはあまりしません。」などの見解がされている犬種です。
また、「飼い主や家族には愛情深いものの、他人には心を許さないところもある。」とも言われています。
私はアフガンハウンドを初めて迎え入れるまで、「アフガンハウンドはとても神経質で飼育の難しい特別な犬種である。」と思っていました。

しかし、アフガンハウンドを飼ってみて、私のそういった見方は全く違ったものだったと知りました。

何より、アフガンハウンドは決して飼育の難しい特別な犬種ではありません!!
一見高貴でプライド高く、とても裕福な家庭でのみ飼育されているような犬種にも見えますが、他の犬種と同様、愛情を持って接しお世話することができる方であれば誰でもアフガンハウンドを飼育することができます。

私の経験から観たアフガンハウンドは「とても家族想いで愛情深い、争いごとが嫌いで大変優しく穏やかであり、かつ知的でとても飼いやすい犬種である」と感じています。

ただ、知的な一面が飼い主の都合のいい場合にのみ使われるとは限らないことは確かかもしれません。
彼らは自分で考え判断し、行動する能力があります。飼い主とのコミュニケーションの中で、その力をお互いの関係が良くなるように働かせることがで、最高のフレンド・ファミリーになってくれます。
彼らはとても愛情深く、甘えん坊です。
飼い主には決してべタベタと媚びて常に何かを要求することはしませんが、誰よりも飼い主やその家族を愛し、また彼ら自身も誰よりも愛されたいと願っている犬種です。
家族想いの彼らは、飼い主や家族と同じ空間に居て互いの気配を感じられることを好みます。
また、感受性が強く、飼い主が何を考え感じているか察知する能力がとても高いです。
そしてアフガンハウンドは何かを強制されたり、束縛されたりすることは、とても嫌います。嫌なことをされると大げさに表現する一面もあります。
また、執着心は強くなく、彼らの判断で納得すると一切興味を持たない一面もあります。

しかし、普段の彼らはとってもマイペースで一日の大半をファーに寝そべって過ごし、TVを観ることもあります。
リラックスしているときは仰向け臍天で股を開いてくつろぎ、気品ありげな一見とは違いまるで「無駄な労力は使わない」とても言いたげなくらい、道楽でグータラにも見えます(笑)

ただし、アフガンの仔犬に至ってはとても活発で好奇心旺盛です。
1歳から2歳くらいを目処にピタリと無くなり、物静かな大人のアフガンになり ます。


アフガンハウンドを飼う環境

アフガンハウンドは室内犬です。
もし野外で飼われる場合は室内と同じように雨風を完全に防ぐことができる設 備を必要とします。
またアフガンハウンドの性格からも家族と一緒に居られるスペースでの飼育を お奨めします。
大型犬ですが、それほど大きなスペースは要りません。
家族と共に自由に居られるリビングに2,3人掛けのソファーがあれば充分で す。
仔犬の頃や躾が完全でない場合はサークルやゲージをリビングに置かれても良 いと思いますが、できる限り自由にさせてあげて下さい。


食事

アフガンハウンドは大型犬種であることは勿論、とても柔らかで長く伸びるコ ートを身に纏い、抜群の瞬発力を持つ運動神経を兼ね備えた視覚ハウンドです から、良質なたんぱく質を充分に補い、各種ミネラル、ビタミンE、ビタミン D3、カルシュウム、亜鉛などがバランスよく含まれた食事が必要です。
またオメガ3、オメガ6など良質な成分を多分に含む皮膚コンディションに優 れた消化のよい食事が必要です。
愛犬に合った良質なフード選びは勿論の こと、フードで充分に補えない栄養はサプリメントなどで補うことも有効的で す。

当方では主にドライフード「ブラックウッド」を使用しています
。朝はフードに消化吸収を助ける無糖のヨーグルトを混ぜて与えています。
夜はビタミンと良質なたんぱく質を補うために、野菜やササミなどを煮たもの をフードに混ぜて与えています。
りんごやバナナなどのフルーツ、ニンジンステックなども時々おやつとして与 えています。
ビタミンやミネラルなど、必要に応じてサプリメントの使用をしています。



運動

アフガンハウンドはとにかく走ることが大好きな犬種です。
1回の運動で何時間も歩くことよりは、短時間で思いっきり走れる運動を好みます。
ですから大型犬種ではありますが、一日に何時間も運動しなければいけないわけではありません。
できればアフガンが充分に走ることができるある程度のスペースでの自由運動が最適です。
自由運動の場合、アフガンは一度走り出すと満足するまで戻ってこない場合が ありますので、ドッグランなどの様に囲いのある安全な場所で運動させる必要 があります。
徒歩での引き運動の場合は1回につき1時間前後を朝・夕の1日2回、アフガンは 足が長く歩幅もありますので人間にとっては少し早足で行うと効果的です。
但し発育途中の仔犬の過激な運動は関節を痛めたり今後の骨格構成に影響を与 える場合があるので無理な運動をさせてはいけません。
当方では朝夕の2回、敷地内の運動スペースで自由運動を最低1時間から2時間以 上させています。
若犬やショーに出している犬は自由運動に加えて、自転車での引き運動を30分 前後行っています。



コート管理(お手入れ)の仕方

一般的に長毛犬種は「毎日のブラッシングを欠かさないこと」とありますが、 アフガンハウンドの場合、無理なブラッシングは禁物です。
特にコートが汚れている状態でのブラッシングは返ってコートを痛めてしまい ます。
綺麗にコートを伸ばすコツは、「汚さない・濡らさない・そして濡らした場合 は速やかに乾かすこと」です。
我が家では最低でも10日から2週間に1回はシャンプーで綺麗に汚れを落とし、良質なリンス・コンディショナーをし、ドライヤーで入念にブラシを入れながら
完全に乾かしてコートを維持していますが、家庭犬の場合は汚れ具合によって1か月に1度程度のシャンプーでもコートを維持することが可能です。
日ごろの飼育環境の中で「濡らさない・汚さない」に気を配り、シャンプーの際に綺麗にブラッシングを施せば次のシャンプーまでは通常毎日のブラッシングはあまり必要にはならないと思います。
もし汚れた場合は速やかに汚れた部分を洗い、ブラシを入れながら綺麗に乾かしてください。
ゴミが付いた場合や部分的な縺れなどブラッシングが必要な場合には、霧吹きなどでコートを湿らせ、ドライヤーで乾かしながらブラッシングします。
乾いた状態でブラッシングをするとコートが切れやすく、空気が乾燥している時期は特に静電気で更にコートが絡みやすい状態を作ってしまいます。
コートを湿らせることでブラシの滑りもよくなり、同時にコートに付いた癖も取れて縺れを防げます。
もし、縺れや毛玉になってしまった場合も同様に、絶対に無理にブラシを通そうとせず、「ほぐす」ことに意識を向けてブラシを入れます。
コート剤などブラシの滑りをよくするものを使うと便利です。(但し、油分の強いものは返ってコートに汚れが着きやすくなり縺れの原因になる場合がありますので、注意が必要です。)
ブラシはラバーが丈夫でピンが長く柔らかいものを使用。
ピンの固いものやスリッカーブラシなどはコートを切ってしまう原因になります。そしてより綺麗にする為にはブラシの後にコーミングをすると確実です。
仔犬のころからシャンプートリミングに慣れさせること、トリミングテーブルの使用もお奨めです。

また耳の毛を保護するために「スヌード」を使用します。
汚れやすい部分にはラッピングも有効です。

アフガンハウンドのコートを綺麗に伸ばす為には、定期的なシャンプーが不可 欠ですが、作業は決して難しいものではありません。
トリミング施設を利用する場合は大型犬であり長毛犬種であることから、それなりのお値段を請求される場合もありますが、特別なカットが必要な犬種ではありませんので、
特殊な技術を持たなくとも、誰でもアフガンハウンドをシャンプーすることができます。
我が家からアフガンハウンドをお迎えになられた場合は、日ごろのお手入れの仕方やシャンプーの仕方などもお教えさせていただき、アフガンハウンドを初めて
飼われた飼い主様でもご自身でとても綺麗なフルコートにされている方が沢山いらっしゃいます。
愛犬とのコミュニケーションを楽しむ感覚で行えば、日ごろのお手入れやシャンプーは費用もかからず愛犬にも飼い主様にも優しい触れ合いの時間として、愛犬と暮らす日常の習慣になります。
またもし日ごろのお手入れが難しい場合には無理にコートを伸ばそうとせず、お手 入れできる適度な長さにカットしてアフガンハウンドとの生活を楽しまれてもいいと思います。



シャンプー・トリミング

コートを綺麗に伸ばす為には10日から2週間に1回、定期的に良質なシャンプー リンスを使用して行うことをお奨めします。
コートが短い場合は汚れに応じて感覚を伸ばしても良いですが、最低でも1ヶ月 に1度は綺麗にしてあげましょう。
シャンプーの際はコートが絡まないように気をつけながら、皮膚は指先でマッ サージするようにします。
濯ぎは隅々まで入念に行って下さい。
リンスはムラなくいきわたる様にし、シャンプー後は入念にブラッシングしド ライヤーで完全に乾かします。
また、アフガンハウンドは垂れ耳で耳の中が蒸れやすく外耳炎になってしまう 場合がありますので、耳の掃除も忘れずに行って下さい。

当方の場合シャンプーの月回数はやはりその時の汚れ具合によっても変わりま すが、コートコンディションを保つ為に最低でも平均10日から2週間に1回はシ ャンプーで綺麗に汚れを落とし、良質なリンスやコンディショナーでコートの 保護をしています。
ドッグショーに出す場合は、週に1回はシャンプー・コンディショナーを、「ラ グジュアリー」または「#1オールシステムズ」「ラ・ファンシーズン」のい ずれかで毛質や状態により使い分けて仕上げています。
また普段は、漂白剤・シリコン剤などを含まない天然成分で皮膚に優しい良質 なシャンプー・コンディショナーを選んで使用し、短毛種に比べたシャンプー 回数の多さや科学成分での皮膚への負担を軽減しています。

シャンプーはバスタブに10cmくらいのお湯をはりシャンプー水にして、桶 で掛け流しながら洗います。リンスも同じようにすると隅々までリンスが入り ます。
流す時は皮膚を洗う感じでサドルなどコートの短い部分とコートが 絡みやすい部分とで流し分けることで綺麗に仕上がります。



健康管理

当方では医学博士の獣医師の指導のもと、健康管理に努めています。
毎年のワクチン接種、フィラリア予防は欠かさず行っています。
そして犬達の生活スペースは常に衛生的であるように心がけ、使用している犬 具(ゲージや食器など)、また野外の運動スペースは最低1日2回は除菌消毒を 行っています。
日ごろのスキンシップの時には身体に異常がないか(体温、皮膚の状態、コー トの状態など)チェックすることを心がけています。
またアフガンは垂れ耳のため、耳の中が蒸れ外耳炎になってしまう可能性が高 い犬種ですので、耳の中のチェックも欠かせません。
ある程度の年齢の子は白内障などの恐れもありますので眼の色にも注意してい ます。
また消化吸収のために、そして胃捻転などの恐れから食後の運動は控えるよう にしています。
若い子の場合は遊びに夢中になり怪我の恐れがあります。
特に長い手足の関節、爪、そしてテールの怪我が多いため、注意しています。



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